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2006.05.23

生ビッグバンド!!!・・・嬉しいニュース

アンコール!に代わって、10ヶ月間開催されるショーは、どうやら「生のビッグバンド」が登場する模様。
なるほど、数週間前に登場したプレスリリースを素直に読めば、そう読める。
ですが実は、あえて期待しないで居ました。「ミニーやマリーの歌声・・・ってことは、録音トラック主体かも」って。
これまた「夢はかなう」って信じてなかったんですよ。

だって・・・途方もない夢だもん!
これが、どんなに凄いことだか、貴重な機会だかわかりますか?
日本の音楽・エンターテイメント・テーマパークの歴史に残るような機会。いや、「世界の歴史」かもしれない。

「ビッグバンドが、1000人規模の常設ホールで、毎日数回、10ヶ月間連続公演。」

たぶん今、そんなことが可能な場所は、世界中でただひとつ、東京ディズニーシーだけ。
資金・顧客・プレーヤー・会場。この4つを揃えられる場所が、ほかにあるでしょうか。
・・・ひょっとすると、ラスベガスあたりには、あるのかな?
だとしても、全盛期を知る80歳代の方から幼児まで、幅広い聴衆が集まるなんてことはないんじゃなかろうか。


夢見てます。
幕が上がる。
そこにはきっと、熟達のプレーヤーたちが立っている。(いや、オーケストラ・ピットかもしれませんが)
そして、若手のプレーヤーたちも。
ウイントン・マルサリスや藤崎羊一さんのような、伝統を身体で学び、生きた音楽として発展させるプレーヤーが育つ。
そして、われわれ観客の耳も。


ビッグバンドっていうのは、もはや、とっても贅沢な存在です。
PA装置(マイク・スピーカー)が未成熟だったかつて=ビッグバンド全盛期は、あの大人数の編成に必然性があった。「オールラウンド・ミュージック・ボックス」・・・って菊地成孔さんは表現してたかな。万能伴奏装置としての需要があった。
今は・・・単なる万能伴奏装置ならば、人件費のかかるビッグバンドをあえて組む必然性は無い。MIDI音源一丁あればいい。インタラクティブ性を求めるとしても、各楽器1本づつにして、PA&リバーブでそれっぽく仕上げればいい。
クラシックのオーケストラも「オールラウンド・ミュージック・ボックス」だった。そしてやはり、実用としての必然性が薄れた段階で衰退しそうになったと聞きます。需要は減退、演奏後継者が乏しい、新しい作品が生まれない。でも、オーケストラという様式ならではの素晴らしさを知る人がたくさん居るから、素晴らしさを磨き上げようとする人がたくさん居るから、大変な苦労をしながらも、たくさんのプロオーケストラが、今、活動している。
ビッグバンドがそうなるか否か。今回の10ヶ月連続公演は、その転換点になりうる。


かつて、デキシーランド・ジャズは、すっかり忘れ去られた存在になっていた。
伝説の名プレーヤーたちが、活動場所を無くし、港湾や綿花畑での荷役や農作業で食べていた。
情熱を持った個人が、彼らを訪ね歩き、録音をし、ライブハウス(プリザベーション・ホール)を創り。
デキシーランド・ジャズの素晴らしさに、生で触れた人々が、後継者となったり、演奏機会を増やしたり。
だから、今わたしたちは、生きた音楽としてデキシーを聴くことができる。

20年ちょっと前。スイング・ジャーナルだったかで「今、日本で一番上手いスイングを聴かせるバンドは、TDLのバンドだ。客の前で毎日演奏する。これに勝る経験は無い」という記事を読んだ。
どんななんだろう・・・とわくわくしながら、はじめてTDLに行った。素晴らしかった。

今、アマチュアでスイングジャズを楽しむ人たちは、かなり増えているそうです。スイングガールズという映画もありましたね。
プロでは小曽根真さんが結成したビッグバンドがコンサートツアーをやったのがニュースになりました。
そして、録音とのあわせ技とはいえ、あのTDS「スターライト・ジャズ」の2000人総立ち。昨年のアンコールクリスマスバージョン終盤の、恍惚とするほど一体感のあるスイングした手拍子。
機は熟しつつある。そして、TDSにはスイングのノリを会得した観客がたくさん居る。

マルサリスがプリザベーション・ホールでデキシーに触れ、育ったように。
TDRでオールドスタイルのジャズに触れ、育った若手プレーヤーも居る。
彼らが、歴史の転換点になるステージに立ってくれたなら・・・それは、マルサリスがプリザベーション・ホールの世界ツアーに参加するようなもんだよね。

僕は、そんな姿に出会いたい。
それ以上の経験が積める場所なんて、ないんじゃないだろうか。
生まれ育ったホームグラウンドで、支援しようとするたくさんの人々に恵まれ、惚れ込んで人生をかけた音楽スタイルに、今を生きるプレーヤーが、現代の聴衆とともに、生きた息吹を吹き込む。
プレーヤーにとっても、TDRにとっても、客にとっても、それは素晴らしい機会=チャンスになる・・・。
それは、ジャズ誕生から100年、ビッグバンドの時代から70年を経た今、この日本だからこそ起きる、とっても深く、身に染み入るような体験になるんじゃぁないかなぁ。

今まで生きてきて想うこと。ほんとにそうなのかどうかは判りませんが・・・。
 1. 同じチャンスは2度来ない。
 2. なにを大切にして選んだか・が、そのまま結果になる。
 3. 2つの選択肢のうち、結果がどうなるか怖い&ワクワクするほうがあったなら。そちらがほんとに選ぶべき道。だってさ、創ったことの無い結果で、しかもその実現を心から望んでいるからこそ、どうなるか怖い&ワクワクするんだもん。
(怖いのと、ワクワクするのって、生理的には同じ現象なんだそうです。手に汗をかいたり、鼓動が早くなったり、胃に血液が集まったり、震えが来たり。脳みそが「怖がってる」とラベル付けするか、「ワクワクしてる」とラベル付けするかだけの違いなんだとか。)

この3つに即して。OLCさんは今回、ほんっとうに思い切った選択をしたなぁって感じます。
 1. TDS5周年、このチャンスならではの企画。人材が居る。TDSの熱烈なファンは居るけれど、もっと増やす必要がある。資金を投入できる。
 2. TDSの存在意義はなんなのか。過去5年の実績と感触をもとに、思い切って選び、明確に絞り込んだ。
 3. かつて例を見ないイベント。たぶん世界中のどこにも。すがるべき確実性や前例は無い。想定される顧客層の大半は、テーマパークに関心すら寄せていないであろう。新たなアプローチが必須。でも、成功したなら・・・TDSは世界のどこにもない存在意義を発揮することになる。

そして。
この思い切った選択が出来たのは、5年間の試行錯誤があったからこそ。
選び、実行し、結果を観、なにが叶ってなにが叶わなかったのかを把握し、仮説をたて、選びなおし、実行し、また結果を観。
この繰り返しを誠実にやってこられたからこそ、なにが「本当に大切なもの」なのかを、明確に形作ることができる。

僕自身の人生を振り返ってみて。
「あぁ、あの時、あちらを選択していれば・・・」って想う局面は、いくつかあります。
そしてたぶん本当に重要なのは、
選択を誤らないことではなくって、失敗しないことではなくって、
残念さと喜びとから、僕自身の「本当に大切なもの」を明確に浮き彫りにし、実現していくことなんでしょうね。


TDS5周年イベントが大成功を収めますように。
そしてTDSが、多様性の価値と共通性を体験できる場として、いっそう輝きを増しますように。

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