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2006.02.27

なぜ、ミート・ザ・ワールド廃止やアトモスフィアショーほぼ全廃が一大事なのか

たとえて言えば・・・

今のTDRって、”モリゾー&キッコロ目当てのお客さんが大挙押し寄せる愛知万博”みたいなもんです。

だからといって「顧客がそれを望むんだから、モリゾー&キッコロの登場する大規模ショーを強化しよう!その予算は、人気の無い環境パビリオンの廃止と、各国伝統芸能実演の全廃でまかなおう」という経営判断をしたならば。そりゃぁ万国博覧会の本道を外れてる。

このたとえ話で、「あぁ、そういうことね!」と理解いただけた方は、以下読む必要ありません。

選択と集中?

”選択と集中”・・・GEのウェルチ会長による経営改革以来、これが大切だとあちこちで言われています。

自社の強みが発揮でき、かつ、ニーズが高い事業分野を見極め、そこに経営資源を思い切って集中する。

結果、著しく高い顧客満足が与えられ、企業の業績は向上する。

「ゲストの望みに応えて、需要が強い分野を強化する。需要が低い分野は廃止する。"選択と集中"にかなってるじゃないか!」
・・・いいえ、違うんです。

顧客満足の向上?

以下、"経営品質"という取り組みを通して聴いた、たとえ話です。

ある大学が顧客満足の向上に取り組むとします。

で、学生のニーズを調査する。
出席チェックが厳しくなくって、試験が簡単で、単位を簡単にくれる講義のニーズが高い。
「よし、じゃぁ、そういう講義ばっかりにしよう」

・・・これで、ほんとに顧客満足を向上させたことになりますか?

学生は喜びます。ろくに授業に出なくても、試験勉強なんかしなくても、単位が取れて、卒業できる。

でも4年後、愕然とするでしょう。たいした知識も実力も身についていない。就職にも苦労する。俺、大学になにしに行ったんだろう・・・。

顧客の表面的なニーズを追いかけたんでは、駄目なんです。
わが大学は、どういう社会的役割を果たすのか。学生にどんな能力や経験を獲得させるのか。”本質的な満足”とはなにかを、しっかり見据え、追求する必要がある。

ディズニー・テーマパークの社会的役割って

ウォルトの、ディズニーランド開園スピーチの言葉が、原点だと想うんです。

私はディズニーランドが人々に幸福を与える場所、おとなも子供も、ともに生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出をつくってもらえるような場所であってほしいと願っています
これはTDR公式ページからの引用ですが、原文はもっと長くて。大人は古き時代の郷愁に思いを馳せ、子供は生命の驚異や未知の冒険に胸躍らせる・・・全ての年齢層、全ての人のためのパーク。 (スピーチ全文和訳を見つけられなかったので、ちょっと不正確な部分があるかもしれません。もし誤りに気づいた方、突っ込んでいただけると嬉しいです!)


僕も、今となってはミッキーたちは大好きです。彼らが登場するショーやグリーティングを観ている時間のほうが、アトモスフィアショーを観る時間より、はるかに、格段に、長い。時間比で、100:1くらいかもしれません。
それでも、このウォルトのスピーチに照らしてみたときに。ミッキーはホスト役として重要な役割は果たしていますが、必須ではない。キッコロ&モリゾーが居なくても愛知万博が成り立つように、ミッキーが居なくてもディズニーランドのテーマは成立する。


一方、アトモスフィアショーやミート・ザ・ワールドは、ディズニーテーマパークの”テーマ””社会的役割"と密接に結びついています。
それらがばっさり無くなってしまうとしたら。これは、ミッキーたちが一切出演しなくなる以上に、重大事・・・ということなんです。


ディズニーランド=ミッキーたちが活躍する場所 というイメージがあまりに強いがために。


今、TDRに来てくれているお客さんたちの多数は、ミッキーの活躍を期待しています。
と同時に、「ねずみーランド」「ねずみ踊り」と呼んで、TDRを敬遠しがちなひとびとも、うんと沢山居る。男子中高生、そして大人は男女問わず。その層のたぶん過半は、「ねずみーランドなんて、積極的には行きたくない」と言ってます。愛知万博や、明治村になら行ってもいいと想っても。


もったいない。本来、万博や明治村が楽しめる人なら、その大多数はディズニーのテーマパークだって楽しめるのに。

テーマパーク経営の難しさ

たぶん、上記のことはOLCの経営陣のみなさん、重々承知なんだろう・・・とは想います。 その上での、苦渋の決断なのだろうと。

OLCプレスリリース:平成18年3月期 第3四半期財務・業績の概況(連結)を精読すると・・・連結での収益悪化要因は、ディズニーストアの売り上げ低下と、ショー費用の増加、準社員人事制度変更による費用増加の3つが主。(パーム&ファウンテンテラスホテルの営業費用が発生していますが、売上増から観るとかなり高稼働率。収益的にはプラスだと判断できます)
スペシャルイベントに力を入れたが、夏場はゲスト数落ち込み。10-12月である程度挽回できた・・・と説明されては居ます。が、これ以上ショーに予算をつぎ込める状況ではない。

昨年並み、または昨年より少ないショー予算で、でも、TDS5周年のイベントを、集客効果が上がる形でやらなければならない。こりゃ、かなり難しい状況ですよね。

僕だったら・・・レギュラーショーをスペシャルバージョンにして、過去のアトモスフィアショーの総再演やって・・・ではインパクトがないのかなぁ。
数年間かけてショー開発費を償却できれば、まだ良いのでしょうけれど、”5周年スペシャル・1年きり”だと、開発費全て、1年で償却になっちゃう。
集客に影響なく削れる予算は・・・アトモスフィアショーだ!

リズム・オブ・ワールドみたいに、低予算の試行的イベントで、大集客&ロングランに成功すれば、八方万歳なのですが・・・狙って狙えるもんじゃないわなぁ。


TDLホテルを7階建てに変更して、浮いたお金でアトモスフィアショー存続・・・なぁんて願ってしまいますが、ホテルは借入金で建てるはず。アトモスフィアショーは、融資対象にはなりづらい。ホテルを小さくしても、ショー運営費は捻出できなさそうです。
そして・・・TDLホテルを建てるなら、金利がまだ上がる前で、ミラコスタの好調さを銀行にアピールできる、今しかない。建ててしまえば元は取れる・・・という市場調査データもあるのでしょう。入園者数の安定にも寄与するはず。

ディズニーストアの不振は、本件とは直接関係してこないでしょうし・・・。

リンク: Ni-gata Traders ? | TDRのアトモスフィア全終了の噂

エンターティメントのカットというのは、今回が初めてじゃなかったりする罠。 少なくとも、10周年以降、15周年以降に大幅なエンターティメントのカットが行われたはず。


TDL10周年前後は、僕は長男・次男誕生に伴う空白期だったので、リアルタイムの記憶が無いんですが・・・メディスンワゴンショーがなくなったのが、この時期になりますかね。代わりに、スペシャルイベントが大規模になったような気が。
TDL15周年後の変化は・・・TDS開園に伴うものじゃなかったでしたっけか。ジャミターズが消えたり、ラッキーナゲットステージ、プラザパビリオンバンドスタンド、トゥモローランドテラスステージのショーが無くなったり。


 でも、数年後には消えていたアトモスも復活。
 つまり、OLCの業績が良くなれば自然とアトモスも復活するんじゃないかというような楽観的予想。


一旦消えたアトモスフィアショーが復活・・・というのは無かったように想います。外山さんたちが、アメリカツアーに伴い数ヶ月お休みってのはあったと記憶してます。

業績が悪くなったからといって、シンデレラ城のモザイク画の水晶を売っぱらったりしないように、メンテナンス周期を1年から3年に延長しないように、電球の球切れをほっとかないように、鉄柵が錆びるまでペンキ塗りをサボらないように、トイレ掃除の間隔を延伸しないように、アトモスフィアショーの全廃なんてしない。そう想ってました。

噂が真実なら、10周年・15周年後の削減とは、規模が違う。ほぼ根こそぎ廃止。
一度そこまでOLCさんが踏み込むなら、もはやなにかが変わってしまったということ。
どうかそうはなりませんように。なにか、TDS5周年と両立させる、素敵なアイディアが現実になりますように・・・。


シングルフィラメント電球の採用箇所が多くなり、球切れをしばしば見かけるようになりました。
鉄柵のさびも、ちょこちょこと見かけることがあります。
それは、たまたま・・・なんでしょうか?
キャストさんの育成をOJT方式に変えたころから、完璧は目指さなくなったのかな?それはそれで、ひとつの味だとも思いますが・・・。

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コメント

そりゃあ、ボランティアではないのだから、利益を追求してもらわないとね。
私もミッキーは好きですし、ミッキー無しのTDRは考えられません。
ピンバッジ買ってにやけてるし、『彼』とツーショットなど撮ったりして喜んでますから。

私は商売のことは良くわかりません。
でも、ウォルトの遺志、ウォルトが生前大切にしていたものを尊重しないで、『勝手な』企業の論理だけを追求するなら、
このテーマパークの場合はまずいですね、それやると命取りになりますね。
TDRは、既に日本の文化に入り込んでしまい、それを完全に消しさることは無理です。
文化の担い手として、お金で換算できない何か、
それを全く忘れ去っているなら、OLCはディズニーの名を返上すべきですね。
正真正銘の『オリエンタルランド』を立ち上げれば良いのです。

リピーターをこれだけ沢山産んできたのはミッキーだけの功績では無いことを、OLCはもう一度検討して欲しいものです。
『ねずみーランド』に成り下がらないことを切に願ってます。

投稿: 円蔵 | 2006.02.27 15:37

戦略上、「ディズニーは素晴らしい!われわれ日本人が思い至らない部分を、こんなふうに正してくれた」とOLCさんはPRしてきたふしがあります。
でも真実は。ディズニー社をはるかに超えて、OLCの日本人スタッフは、「顧客満足」や「社会的役割」への洞察が鋭かったようです。例えばスプラッシュマウンテンに晴れ着で乗れるように、かっぱを用意した。でもこれを、公演などでは「ディズニー社の指導、ディズニーフィロソフィーの素晴らしさ」として語っている模様。
OLCの顧客満足重視なオペレーションがアメリカに逆輸出され、各企業の注目するところとなり、ディズニーランド・ディズニーワールドで顧客満足を学ぶセミナーも行われるようになり。そして、日本でも顧客満足の大切さが説かれる様になった。

ですから・・・きっとなにか、考えがあってのこと。そう信じたいです。
それだけの見識と実績を持っている会社なんです、OLCさんは。

投稿: BigLove | 2006.02.28 02:21

TDSの1周年ショーって、実は、ほとんど金が掛かってませんよね。
グーフィーの水上スキー用一式,ミキミニのイルカ乗り,ダンサーのセーラーコスチューム…くらい?
音楽も「THANKS TO YOU」…だけが新曲か?(この曲そのものがTDLの15だか5周年で使われてたとも聞きますが…(^^;
(あとは、ミッキーの台詞)

それでも、TDSの各テーマポート総出でのお祝い…とうインパクトは強かったです。
(ポルトダンサーの顔出しも、この時が初かな?)

掛けた金と感動が比例しない見本かも。

で、先日、ケープコッドに新アトモスが登場してました。
スタテンのバンジョーと洗濯板のお二人です。
衣装は、ジャンボリーナイトのケープコッターズの使い回しみたいです。
(夏服で寒くないんだろうか?(^^;

これ(新アトモス)を、どう見るか…なんですよね。
再編成の一環と見るか、単に契約期間の問題と見るか。

投稿: KoZ | 2006.03.07 09:46

TDS1stAnv.、なるほど、そんなにお金はかけてなかったんですね。純粋に1周年をお祝いすることに狙いが絞られていた分、低予算、かつ、感動的にしあがったのかもしれません。

5周年は、「TDS、1回行ったけどなぁ・・・。」というゲストを、再度来園させることを期待されている・・・と想われます。
TOTオープンと、TDSレギュラーショー更新も、そんな観点から計画されているのでしょう。
どんな層に、どんな風にアピールするんだろう・・・。TOTとの相乗効果を出すならば、若者層をターゲットにした企画になるのかなぁ。

セイル・アウェイは会場のムード良い感じですし、アンコールもクリスマスバージョン終盤の盛り上がりっぷりから観て、終わらせてしまうのは惜しいなぁ・・・でも、「あれもこれも変わったらしいよ!」じゃないと。再来園のきっかけにはなりづらいのでしょうかねぇ?

ケープコッド新アトモス、スタテン廃止を一番早く記事にされたBlogの記述は、はずれてたことになりますよね。
どうやら、いろんなルートで、それぞれ違う説明がなされている気配。また、決定事項そのものもまだ流動的な様子ではあります。

素敵な夢は、かなう。
これを信じて、
「こんな風に素敵だったなぁ」
「こうなってくれるともっと素敵だなぁ」
って語ることが、われわれゲストに出来る最大の貢献であるように想います。

投稿: BigLove | 2006.03.07 23:35

お久しぶりです。

ちょっと前の記事ですが、思うことがあったのでコメント残させていただきますm(_ _)m

『TDRにミッキーありき』
『愛知万博にモリゾー・キッコロありき』

最近ではUSJに『キティちゃん』が登場するご時勢、しかも近々そのUSJに『ピーターパン』のアトラクションができる始末・・・。
(版権でDisneyじゃないいですかね・・・)

もはや今の日本全体が“キャラ祭り”なんだと思います。

テーマパークや遊園地など、数々のレジャー産業が倒産や廃業に追い込まれる中、
TDRは厳しいながらも潰れるまでには至らず(数字は落ちていても混雑ぶりは変わらず)、愛知万博は記憶に新しい大盛況。
やっぱり『キャラクターによる集客力』は否めない気がしてしまいます。

老若男女、すべての人の心に届くものを作ることが大原則だと思いますが、利益を追求するならターゲットは若い女性に絞ること
・・・これが今各所で起こっている事実の引金なのだと思います。


5週年イベント、どうなるんでしょうねー。
未だ、ファンダフルにちょっこっとというくらいしか情報出ていませんが。
楽しみでもあり、(現行ショーが終わってしまうことへの)哀しみでもあり、複雑な気分です。

>長文失礼しました<

投稿: ユカコ | 2006.03.23 00:21

ユカコさん、コメントありがとうございました!
めちゃくちゃレスが遅くなりました・・・

「若い女性を狙う」・・・うん、これは大切なんでしょうね。
キャラクターを前面に出す。それで、テーマがよりしっかりと浸透するなら、それも良し。
それとアトモスフィアショーって、両立するはずなんですよね。

キャラクターも削減されてるのではないか・・・という気配があります。僕が気づいたのは、ドリームライツにパンチートとホセが居なくなったこと。

ライブショーに関して、なにか方針が変わっている。
それが、しかるべき方向への変化であることを祈りつつ・・・。


結局、僕のこころにひっかって居るのは・・・
たとえば昨日の日記http://d.hatena.ne.jp/BigLove/20060407#1144418743 で触れた、エテールノの台詞。
夢も喜びも、ゲスト自身が描き・生み出すもので、与えようとして与えられるものではない。
だから、ディズニーランド・ディズニーシーのライブショーって、観客の積極的関与を引き出すようにデザインされてきました。そして、かなりの成果を挙げてきた。日本人のショーへの接し方を変えてきたとすら言えるのかもしれません。
OLCさんのやることなすこと、すべてこの方向に向かっているように観えていました。

ところが今回のアトモスフィアショー大幅縮小で、初めて逆行してるように観えた。
さぁ、どんな考えがあっての決定なのか。TDS5周年で判る事でしょう。

投稿: BigLove | 2006.04.08 01:33

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受信: 2006.03.12 22:02

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